1.浅草『食堂うゆき』
端正な日本料理に感動し、¥13,200という価格に衝撃を受ける
『食堂うゆき』:店は、人気レストランが点在する浅草寺の北側、通称“観音裏”と呼ばれる柳通りにひっそり佇む。ミシュランのニューセレクションにも選ばれた注目の和食店だ
下町の美食スポット“浅草観音裏”。静かな街並みに名店が点在するこのエリアで、密かに食通らの注目を集めているのがここ『食堂うゆき』(浅草/和食・日本料理)だ。
日替わりコース一本という潔さに感じる店主の確かな実力
『食堂うゆき』:青森県出身の金澤さん。地元のパスタ店を皮切りに和食とイタリアンを行き来して研鑽を積む。店名は自らの名前“ゆうき”をもじったもの
全10品から成るコースは¥13,200と、高騰化する和食店が多い昨今にあって実に良心的。
だが、人気の理由はそれだけではない。
『食堂うゆき』:「蛤とわかめのお椀」。軽くゆがいた蛤の汁に鮪節で旨みを底あげした出汁がよく合う。吸い口は木の芽
シンプルを身上とするご主人・金澤祐樹さんの美学が反映された質実な料理が、常連客を惹きつけてやまないのだ。
例えばお椀。蓋を開ければ目に入るのは初々しい緑一色。その下には蛤を忍ばせてあり、春の息吹が舌に伝わってくる。
殊更に高級食材を使わずとも、春ならではの出合いものの味を堪能させてくれる。
『食堂うゆき』:「蕗と白魚の天ぷらの手巻き」
「仕込みは必要最低限に抑え、できるだけお客様の顔を見てから作り始める」と金澤さん。
丁寧な下ごしらえに加え、焼く、煮るなど一見単純そうな調理を突き詰めることで、清廉にして細やかな美味しさを生みだしている。
「蕗と白魚の天ぷらの手巻き」。
蕗のとうの柔らかなほろ苦さに香ばしい白魚の天ぷらがマッチする。
『食堂うゆき』:「からすみ蕎麦」
「からすみ蕎麦」。麺つゆで和えた蕎麦に自家製のからすみがたっぷり。
すべて「おまかせコース」(¥13,200)より。
『食堂うゆき』:杉の木のカウンターが温かみを醸す内装は店主の手作り。壁の左官も手掛けたとか。料理同様、シンプルかつ趣のある空間
和食とイタリアンでの修業経験を生かしたその料理は、素材の味に寄り添う味わいが信条だ。
『食堂うゆき』(浅草/和食・日本料理)について詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめ。
浅草『食堂うゆき』。端正な日本料理に感動し、¥13,200という価格に衝撃を受ける
2.都立大学『marble(マーブル)』
個性派が仕掛ける新機軸は、ふたりの欲望を解き放つ“プリフィクス”
『marble(マーブル)』:外苑前や池尻大橋で人気を博す店の新機軸なイタリアンが、話題を呼んでいる。駅のすぐ近くながら、緑道の奥まった場所に立つ隠れ家的なシチュエーションも粋
「ニューレトロイタリアン」をコンセプトに、今年1月、都立大学駅近くの路地裏にひっそりとオープンした『marble(マーブル)』(都立大学/イタリアン(イタリア料理))。
『marble(マーブル)』:白い大理石のカウンターがひと際目を引く店内は、カフェのような明るく開放的な雰囲気。カウンター限定の「パスタセット」は、ドリンクと前菜がついて、¥1,900とかなりお得
懐かしさと新しさを融合させたというメニューに目をやれば、「スパゲッティ ボンゴレビアンコ」といったスタンダードな料理もあれば、冷たいパスタかと見まごう「白センマイとクルミのサラダ」や千切りにしたジャガイモの独特な食感が後を引く「じゃがいもジュリエンヌとカラスミレモン」のような遊び心溢れるひと皿まで、バラエティ豊かなラインナップに思わず心が躍る。
料理はすべて2名分だが、1人前から注文でき、冷菜、温菜、パスタ、メインからひと皿ずつを選んでオリジナルのコースを組めるのが魅力。
また、メニューは「NEW」と「RETRO」に分かれていて、気鋭の皿で固めるも良し、馴染みの料理を味わうも良しな自由さも新しい。
既視感なき料理に挑戦する「NEW」なら¥5,700で洗練コースが完成!
『marble(マーブル)』:「白センマイとクルミのサラダ」¥900。見た目と食感のギャップに驚くホルモンのアミューズ
下ごしらえも丁寧な白センマイは、シャキシャキと歯応えも軽やか。クルミとともにバジルが香るジェノヴェーゼソースで和えて仕上げる。
「白センマイとクルミのサラダ」¥900。
『marble(マーブル)』:「じゃがいもジュリエンヌとカラスミレモン」ジャガイモの食感の違いを楽しむお店イチオシのメニュー
ニンニクで炒めたものと揚げたもの、2種類の千切りジャガイモをトッピング。異なる食感とからすみの旨みがワインを呼ぶ。
「じゃがいもジュリエンヌとカラスミレモン」¥1,000。
『marble(マーブル)』:「フレーグラ タコの煮込み」¥1,500。スプーンを使っていただくイタリア伝統の“粒々パスタ”
一見、リゾットと見まごうパスタはサルデーニャ島の「フレーグラ」。タコの煮込みとオリーブオイルの旨みにミントの香りがアクセント。
「フレーグラ タコの煮込み」¥1,500。
『marble(マーブル)』:「ラムの串焼き ラムラグーのニョッキ添え」¥2,300。マルサラソースで味わいたい炭火を纏った子羊の串焼き
オーストラリア産のラム肉は、シンプルに塩、こしょうで味付け。炭火で焼き上げた香ばしさとクミンの風味が食欲をそそる。
「ラムの串焼き ラムラグーのニョッキ添え」¥2,300。
なじみのある料理が並ぶ「RETRO」なら¥5,800で満腹コースが完成!
『marble(マーブル)』:「牛ハツ冷しゃぶトンナートソース」¥1,100。ボリュームたっぷり!厚み約1.0cmの牛ハツ盛り
ホルモン店を系列に持つ同店だけに内臓系に自信あり。軽く火を通した新鮮な牛ハツに添えるのはピエモンテ州伝統のツナソース。
「牛ハツ冷しゃぶトンナートソース」¥1,100。
『marble(マーブル)』:「トリッパとギアラの煮込み」¥1,200。時間をかけて丁寧に煮込んだクラシックなホルモン煮込み
牛の第二胃袋と第四胃袋を、カーボロネロ(イタリアの黒キャベツ)や白インゲンとともに、白ワインで煮込んだイタリアの伝統的な一品。
「トリッパとギアラの煮込み」¥1,200。
『marble(マーブル)』:「スパゲッティ ボンゴレビアンコ」¥1,400。自慢の具材と確かな技術が光る王道のボンゴレビアンコ
アサリと白ワインの旨みが染みたパスタには、グラニャーノ産のスパゲッティを使用。噛み締める程に小麦の風味が広がる。
「スパゲッティ ボンゴレビアンコ」¥1,400。
『marble(マーブル)』:「豚バラ肉 香草焼き」¥2,100。数種類のハーブが香るオリジナルのポルケッタ
ローマの郷土料理ポルケッタをバラ肉でアレンジ。ローズマリーを巻き込み、1時間半ほどロースト。
「豚バラ肉 香草焼き」¥2,100。※写真はすべて2名分、価格は1名のもの。
一品¥600〜の気軽な価格設定も見逃せない。
そこには「日常生活に溶け込んだ普段使いできる店として気軽に来て欲しい」という渡部武志オーナーの思いが込められている。
『marble(マーブル)』(都立大学/イタリアン(イタリア料理))について詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめ。
都立大学『marble(マーブル)』。個性派が仕掛ける新機軸は、ふたりの欲望を解き放つ“プリフィクス”
3.高円寺『高円寺 動悸(ときめき)』
名店のイズム感じる¥6,000コースが、連日の満席を引き寄せる
『高円寺 動悸(ときめき)』:「高円寺純情商店街」にそびえる雑居ビルの地下に、最近イケてる大人が続々と吸い込まれていく姿を目にする。窓から垣間見える中の活気が、良店だと物語る
「居酒屋以上、割烹未満」。そんな日常使いの和食を楽しめる、願ってもない一軒が『高円寺 動悸(ときめき)』(高円寺/居酒屋)だ。
『高円寺 動悸(ときめき)』:オープンは2023年8月。古民家をイメージした店内は、木肌の温もりが伝わる寛ぎの空間。カウンター22席のほか、奥には個室も用意。お子様連れにも嬉しい
囲炉裏を囲むようにカウンター席が設けられたオープンキッチンの店内は、ライブ感たっぷり。
至ってざっくばらんな雰囲気ながら、料理はまさに割烹はだし。
美食に慣れた大人にこそ刺さる、食べるほどに「ととのう」料理
『高円寺 動悸(ときめき)』:「焼き胡麻豆腐」。『うち山』名物の一品は、同店でも看板メニュー。ソースの胡麻ダレに使う醤油もグルテンフリーのものを吟味
ミシュラン星付きの和食店『うち山』出身のメンバーが開発サポートするメニューは、お通しの「焼き胡麻豆腐」や「煮穴子とカリフラワーの揚げおろし」などの手の込んだ一品が印象的だ。
『高円寺 動悸(ときめき)』:「煮穴子とカリフラワーの揚げおろし」。対馬産の穴子は小麦粉ではなく米粉を溶いた衣で揚げている
『高円寺 動悸(ときめき)』(高円寺/居酒屋)の魅力はそれだけではない。「食べると勝手にととのう居酒屋」をテーマに、分子栄養学からアプローチした料理は、グルテンフリー、低糖質といずれも健康に配慮したものばかり。
和食の要である出汁にも、栄養価の高いボーンブロスを用いる。
「現代人は糖質過多で栄養が偏り気味。それを、普通に食べて自然に解消できるメニューを開発しています」と店長の福田佑樹さん。
『高円寺 動悸(ときめき)』:左上.「カリフラワーのムースと生雲丹」/右上.「お造り」/右下.「大山地どりの一夜干し唐揚げ」/左下.「腸粉」
左上.「カリフラワーのムースと生雲丹」。ムースには大豆由来の生クリームを用いている。
右上.「お造り」。左から時計周りにブリ、まぐろと燻製海苔酢、ヒラメ。
右下.「大山地どりの一夜干し唐揚げ」。揚げ油は体に優しい米油を使用。パリっと揚がった皮も美味。
左下.「腸粉」。中にはエビを巻いた揚げ湯葉が。
『高円寺 動悸(ときめき)』:上.「イベリコ豚の炭火焼き」はトリュフ塩で。右下.「栃木県産苺とグレープフルーツ トマトの白和え」は大豆由来のマスカルポーネを使用。左下.「鯛茶漬け」。鶏のボーンブロスと鰹節でとった出汁をかけて
炉端で焼く原始焼きから創作料理まで品数も豊富。コースは¥4,000からと手軽に味わえるのも心強い。
『高円寺 動悸(ときめき)』(高円寺/居酒屋)について詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめ。
『高円寺 動悸(ときめき)』。名店のイズム感じる¥6,000コースが、連日の満席を引き寄せる
4.本所吾妻橋『ÉTAPE(エタップ)』
美味に胸が高鳴るあの感情を、とことん共有し合える夜がある
『ÉTAPE(エタップ)』:店は東駒形の住宅街の一角にあり。窓に描かれた桜のイラスト越しにも、食感度の高い大人なゲストが集っていることが伺える。近隣では有名な人気店だ
スカイツリーを背に、隅田川方面へ。スーパードライホールのオブジェを至近に感じながらも少し歩けば、そこは下町。ゆるやかな雰囲気が漂う住宅が連なる。店の灯が点るのは、そんなのどかな街の一角。
並びには赤提灯の下がるちゃんこ店と居酒屋、というのがまた下町らしくて到着した瞬間、和んでしまう。
「サカエヤ」にも認められた店主の美しき火入れに陶酔する
『ÉTAPE(エタップ)』:フランス修業時代に出会った妻のジュリエットさんがホールを担当
だが、『ÉTAPE(エタップ)』(本所吾妻橋/フレンチ(フランス料理))で味わえるのは、そんな立地とは真逆のしっかりとした骨格を持った精悍なフレンチだ。
『ÉTAPE(エタップ)』:肉は揚げ焼きにすることで、外側がサクっと、中はモイストに仕上がる
メインの肉もまた然りで、アロゼで肉汁を閉じ込めたフィレとフォンドボーソースの組み合わせは、正統なる味わいを実感させてくれる。
『ÉTAPE(エタップ)』:アラカルトでは「サカエヤ」から仕入れた牛のローストを楽しめる
河村シェフはフランスから帰国後、『IKU青山』に勤務。そこで料理人垂涎の滋賀県の精肉店「サカエヤ」の肉に出合い、衝撃を受けたとか。
コースでは和牛のフィレ肉を供するが、アラカルトでは「サカエヤ」から仕入れた牛のローストを楽しめる。
『ÉTAPE(エタップ)』:前菜の「うにのパンペルデュ」は河村シェフのスペシャリテのひとつ。ブリオッシュ生地にうにを溶かし、バターとオリーブオイルで焼き上げた香り高いひと皿
それでいてアミューズには独創的なひと皿も挟まれ、緩急もしっかり。
初めての客でも安心してコースに身を委ねられる。
『ÉTAPE(エタップ)』:「ハーブのアイス」
肉の脂をさっぱりと洗い流す自家製の「ハーブのアイス」。
『ÉTAPE(エタップ)』:ワインリストに並ぶのは、フランスを中心としたクラシックなラベル。ボトル¥5,600~、グラス¥1,100~
絶大な信頼と料理を引き立てるワインから生まれる満足感を、とくと味わってみてほしい。
『ÉTAPE(エタップ)』(本所吾妻橋/フレンチ(フランス料理))について詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめ。
本所吾妻橋『ÉTAPE(エタップ)』。美味に胸が高鳴るあの感情を、とことん共有し合える夜がある
「東京の住宅街に潜む人気レストラン」をブックマークしておこう!
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