2024年04月26日
大人なふたりの横浜日帰りデートストーリー。平日夜の小旅行プラン
とある男女のデートストーリーとともに、横浜を代表する焼き鳥の名店&2軒目にぴったりのオーセンティックバーをご紹介。
相手の心をグッと掴む、横浜日帰りデートプランがこちら!
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JR桜木町駅前と新港地区の運河パークを結ぶ都市型循環式ロープウェイ「YOKOHAMA AIR CABIN」
【18:00】 「いま背景の空がすごく綺麗だから、写真撮ろうか?」
「ありがと。ロープウェーって案外高くてドキドキする」
横浜で仕事があると1ヶ月前に分かっていた。東京の中央区に住んでいる自分にとって、移動50分の日帰りでも立派な旅気分。せっかくならと、名高い焼き鳥店を予約した。
彼女の都合が合えばラッキーくらいの感覚で、予約は2名。やる気を伏せる誘いは1週間前。
「横浜なんだけど」と、断られてもダメージが少ない枕詞で誘うとOKの返事が来た!32歳同士、ふたりで会うのは二度目だ。
仕事は夕方前に終わり、予約は19時過ぎ。桜木町駅で適当に落ち合うことにすると、17時半、中目黒を出た彼女が到着した。
街が夕日に赤く染まり始める時間帯。目の前はロープウェー乗り場。
「とりあえずロープウェーってどう?」
ビールみたいな言い方で照れをごまかし、小さな箱に乗り込む。遊園地気分だ。
運河側に進むと高いビルがないから空が広く、茜色に染まる雲の下で街が輝き始めていた。
「YOKOHAMA AIR CABIN」から見た横浜赤レンガ倉庫
小窓の向こうの赤レンガは外国の趣。東京にはない景色に、一気に高揚する。
「もう終わり?」と彼女も同じ気分のよう。散歩の序章として、この5分はてきめんだった。
『里葉亭(関内本店)』:看板
【19:15】 「お酒のラインナップもいいし、一度行ったら通いたくなるね」
「うん。美味しい焼き鳥のコースが味わえて、横浜大好き(笑)」
数年ぶりだという「横浜赤レンガ倉庫」を散策しながら、多くない横浜の思い出を語る。
外国船も停まる港町はいまも異国の風が吹き、旅心をくすぐった。19時過ぎに『里葉亭』へ。
『里葉亭(関内本店)』:「皮」
福富町までの道中には横浜ならではの歴史建築が見えて、やはり旅情が高まる。
しかし、店周辺はディープで猥雑な雰囲気だ。やや不安な気持ちのまま店の扉を開くと、正統派な焼き鳥店の空間で、そろって安堵した。
メニューを開けば“ケンゾー”のワインがほぼ全種類並ぶ。焼きの名手のいる老舗と聞いていたが、想像以上のレベルの予感だ。
『里葉亭(関内本店)』:大将の飾らない姿勢も魅力
1本目のハツから衝撃の美味しさだった。プリッとした食感で最高にジューシーだ。ハツが彼女との強烈な共有体験になるとは。お互い「すごいね」と、シンプルな感想で一致。
ぎゅうぎゅうに詰められた皮も初めての味わい。きれいな脂だから酒で流したいとは思わず、むしろ舌に感じる余韻を楽しみたい。なるほど、ワインの出番だ。
なめらかで芳醇な白レバーにasukaを飲めば、華やぐ果実が串をフレンチに勝る一品にする。
そんな洗練がありながら、大将は飾らず。突き詰めた仕事をしながら緊張感はなく、価格も都内の高級焼き鳥より良心的だ。
客層は、ただ焼き鳥と酒が好きな大人たち。店には街場の楽しいムードが漂っていて、〆の「フライライス」で童心に返る。
「こういう焼き鳥は横浜にあったんだ」
食べ慣れた彼女が理想を見つけた口ぶりだ。距離を縮めたいとの思惑を忘れるほどの味で結果、ふたりで盛り上がるという展開。自然な流れで2軒目につながったのだった。
『Grand Noble』:カクテルの世界大会でチャンピオンに輝いたオーナーの作る一杯
【21:30】もう少し…、二軒目のバーへ
気持ち良く酔って満腹になった彼女が、ご機嫌に歓楽街を進んでいく。
2軒目のバーのめどは付けていた。正直、女性から誘われることも多く適当な自分だが、久々のデートの本気リサーチが楽しかった。
手練な彼女を追う身にとって、ともにアウェーの横浜は既視感がなく助かる。歩き始めて3分で『Grand Noble』に着いた。
雑踏から一変するオーセンティックな空間が、僕たちの視線を心なしか艶やかにする。
シェーカーの音や手にするグラスのくびれが彼女の横顔の美しさに拍車をかけていた。
カクテルの世界大会でチャンピオンに輝いたオーナーの作る一杯は丹精で甘美だ。
『Grand Noble』:外観
【23:00】 「今日は横浜まで付き合ってくれて、ありがとう」
「今度は私が行きたくなったときに来てくれる?」
「グラスの口あたりが繊細なのもいい」
彼女の感想に同調する時、その口元から視線をさっとそらしてしまった。頭では大人っぽく口説こうと思っているのに。
彼女が2杯目のカクテルを迷っていたので、僕がもう1杯の気になるものを頼んだ。石造りのバーにしっとりとした空気が流れる。
味見をし合う。少しだけ僕に近づいた彼女が、「こっちの方が好き」と言うので交換した。
ともにお酒が強く3杯目といきたかったが、明日も仕事なので大人しく帰ることに。
関内駅への道、どちらともなく腕を組んだ。「まだ寒いね」と、口実を言いながら。最後は横浜駅で見送って解散。
楽しい時間の余韻に浸っていると、彼女から一通のLINEが届いた。ロープウェーで窓の外を見て笑う僕の画像だった。
“今日はありがとう。また近々飲もうね!”
車窓から住宅街の明かりを眺めていたら、またすぐに会いたくなっていた。今週末の予定を聞いて、次は土曜に決まった。
今回デートで行ったお店はこちら!
1. 『里葉亭(関内本店)』 横浜を代表する焼き鳥店で、創業70年の実力に感嘆する
関内駅南口から歩いて約5分。横浜駅からはタクシーで15分ほど。横浜のコリアンタウンと呼ばれる歓楽街・福富町の裏路地にお店はある。少し行くと大岡川があり、その向こうは野毛エリア
怪しげなムード漂う歓楽街・福富町の一角で、昭和の焼き鳥店の匂いを放つ『里葉亭』。
横浜イチどころか、国内屈指とうたわれる店で、地元民はもちろん県外から、近年ではインバウンド客も押し寄せる名店だ。
昭和30年初頭に創業した『里葉亭』は、先代からおまかせコースを提供。いまや定着しつつあるコース式は、ここが先駆けだという。
レア目に仕上げられた「ハツ」。40年以上前から続く生姜を乗せたスタイルは、『里葉亭』が元祖。食べれば、身が弾け、そのあとに国産しょうがの清涼感が余韻に残る。1本目に提供
串は名物ぞろい。しょうがを載せたハツにはじまり、ギュッと詰まった皮に大ぶりな生レバー。和牛のタンや一品料理も随所に。
軟らかなひな鶏を使い、途中、熊野地鶏や高坂鶏などを挟み、緩急を付ける。
ワインのセレクトも評判で、オーナーとも親交のある「ケンゾー エステイト」は充実のラインナップ。「東京で飲むより安いと思います」と榊原さん。「asuka」ボトル 26,400円
「長く続く歴史を守りつつ、新しいものに挑戦したい」とは3代目の榊原伴次さん。
老舗然とした構えながら、「ケンゾー エステイト」をフルでそろえ、従来のコースとは別に高坂鶏コースを出すなど、時代に合わせたアップデートを惜しまない。
その革新を続ける姿勢こそが、この店を名店たらしめている理由なのだ。
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『里葉亭(関内本店)(りばてい)』という横浜を代表する焼き鳥店で、創業70年の実力に感嘆する!
2.『Grand Noble(グラン ノーブル)』 品のいい大人たちが醸す心地良い空気が、酔いを深めてくれる
『Grand Noble(グラン ノーブル)』:重厚な石造りの外観
上質なカクテルやアール・ヌーヴォー調の落ち着いたインテリアが高い支持を得ている『Bar Noble』。
今年20周年を迎える名店だけに満席なことも多いゆえ、目と鼻の先にあるこちらへ誘うのが実はスマート。
ヨーロッパの古城をモチーフにした内装、外界から遮断された空間はデートの締めくくりに実に相応しい。
『Grand Noble(グラン ノーブル)』:カウンター席なら、カクテルを作る山田さんの美しい所作が眼前に。「バーは紳士淑女の社交場」が信条というだけあり、付かず離れずの接客も心地良い。店内ではシガーも楽しめる
オーナーバーテンダーの山田高史さんは、2011年に開催された「ワールド・カクテル・チャンピオンシップ」で総合優勝した名手。
『Grand Noble(グラン ノーブル)』:「グレートサンライズ」(1,500円)にはオリジナルでブレンドしたウオッカを使用
1杯目にはぜひ、受賞作品の「グレートサンライズ」を。
チャームは関内『ニアネス』の焼き菓子など、甘いものを提供
ブランデーやラムのラインナップに合わせて、チャームは関内『ニアネス』の焼き菓子など、甘いものを提供。
■店舗概要
店名:Grand Noble
住所:横浜市中区吉田町12-2 パークホームズ横浜関内 101
TEL:045-315-2445
営業時間:【火~土】19:00~(L.O.24:30)
【日】18:00~(L.O.24:30)
定休日:月曜
席数:カウンター6席、テーブル8席
※チャージ 800円(サービス料込み)
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