東京カレンダー編集部
0
『鮨 竜介』へと下りる階段は狭く、
まるでトンネルのよう。

だが、下りきった先に品格のある白木の扉が待つ。
そして扉の奥には7席だけの小さな空間。

そこにあしらわれる檜のカウンターが、
凛とした高級感を漂わせる。

腕を振るうのは『銀座久兵衛』などで
研鑽を積んだ大将、山根氏。

銀座の店ながら“楽しく食べられる店”を心がけ、
「食べ方やネタのことなどわからないことは
何でも聞いて欲しい」と言う優しい人柄。

握りはネタによって赤酢のシャリと
米酢のシャリを使い分けるなど、
こだわりぬいた伝統的な江戸前だが一品料理は別。

鮨屋では珍しくコロッケを作ってみたり、
平目にトリュフをかけてみたり、
想像力を働かせたツマミの数々。

銀座の老舗鮨店にはない楽しさがここにある。
2022年12月12日 16:28