2023年08月19日
ふたりの距離がグッと近づく!センス溢れる大人の“下北”デートプラン
男と女が大人の階段をのぼるように、この街も年月ごとに変化して、新たな個性を発している。
再開発が進み、注目を集めている今、“下北の大人デートプラン”をご紹介。
【この物語の主人公】
・MAN
39歳、丸の内の外資系コンサル勤務。築地在住6年。大学時代、バイト仲間のバンド通に連れられて“下北”デビュー。音楽や演劇よりはダーツやビリヤードをしに行く方が楽しかった。
・WOMAN
32歳、表参道のPR会社勤務。下北沢在住4年。長年髪を切ってもらっていた美容師が下北沢で独立したことを機に通うようになる。住まいは東北沢駅寄り。パスタランチ好き。
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マッチングアプリで意気投合し、交際を始めて1ヶ月。彼女の住む街で初めてデートするため下北沢駅前で待ち合わせ。今日のプランは彼女におまかせ。
パリ発、日本初上陸のコーヒーを片手に“懐かしの下北”を探索 @『Belleville Brûlerie TOKYO』
1981年に開場した劇場「ザ・スズナリ」の前を歩くふたり。下北沢で小劇場ブームを起こし、著名人も多く公演。現在も上演を続けている
違う駅で降りちゃった?と錯覚するほど、下北沢駅前の雰囲気は変わっていた。
まず、玄関口だった南口がないではないか。漫画を読み聞かせて人気を集めていた漫画パフォーマーの姿はなく、お洒落な若手女性シンガーが弾き語りをしていた。
「この中目黒っぽいミカン下北って何?」
僕は落ち合ったばかりの彼女に聞いていた。
「グルメバーガーの美味しい店もあって」と彼女は解説しながら街歩きをリードする。
南西口に進み、「この2軒よく行くの」と足を止めたのは相対するコーヒーショップとナチュラル系スーパーの前。
コーヒーはパリ発で日本では下北沢にしかないのだとか。パリにまで選ばれる街になったのか!
香り高いコーヒーを手に歩いて驚いたのが外国人の多さだ。それも趣味が良い人が街のそこら中にある小さなテラス席で飲んで談笑しているから異国ムード満載。
ほとばしる感度の高さにくらくらするが、変わらず並ぶ古着屋が僕を落ち着かせた。
『Belleville Brûlerie TOKYO』
パリで絶大な人気を誇るスペシャルティコーヒーの日本初上陸店として2022年1月開業。
本国セレクトの生豆を直輸入して店内で一から焙煎しているので、鮮やかな香りを楽しめる。
豆の個性を記したカードにも注目。
■店舗概要
店名:Belleville Brûlerie TOKYO
住所:世田谷区北沢2-21-22 (tefu)Lounge 1F
TEL:03-6450-7061
新しいフレグランスカルチャーに、若かりし頃の気持ちが蘇る @『APFR TOKYO』
『APFR TOKYO』
「やっぱり、一点ものに惹かれるな」と、彼女は古着屋でワンピースを一着購入。支払いが電子マネーで時の流れを感じる。
古着屋が多いのは変わらないが何かが違う。あの服の臭いを消すお香の臭いが薄いのだ。
昔はあれが街の香りだった。そんな話を彼女にすると解せない感じだったが、「お香といえば」と、僕を内装からしてハイセンスな店に連れていった。
日本のフレグランスブランドだそうで、店内にはお香にキャンドル、オイルが並ぶ。
面白いのがずらりと並ぶグラスで香りをテイスティングすること。
『APFR TOKYO』:店内にはガラス作家・小澄正雄氏による特性テスターグラスが並び、その中に滞留する香りで好みを探せる。38種類を用意
持ち上げて中をかぎ合い、「これ好きかも」と互いの好みを確かめ合う。
彼女と一致率が高く、香りの趣味が合うって生物的な相性の良さを感じてしまったりする。
『APFR TOKYO』
『APFR TOKYO』:「INCENSE STICKS」2,200円
千葉に自社工場を構える国産フレグランスブランドの直営店『APFR TOKYO』。
手作業で作られる全ラインナップをそろえる。自然の恵みを感じさせる素材を扱い、使う人の生活に根ざした香りの楽しみ方を提案する。
■店舗概要
店名:APFR TOKYO
住所:世田谷区北沢3-19-20 reload1-5
TEL:03-5738-8641
“一番街”の個性あふれるイタリアンでディナー @『Cuore Forte』
『Cuore Forte(クオーレ・フォルテ)』:約450種のワインがそろい、大半がイタリアとフランスのナチュラルワイン。「ラディコン ピノ・グリージョ 2019」グラス 1,200円
時間を忘れて気づけば19時少し前。今日は大好きなイタリアンを予約したとか。
通う理由の第一は、彼女がハマっているナチュラルワインに特化した店だから。
「ラディコンもグラスで飲めるの」と言うので景気付けにまずはそれで乾杯。「彼です」とシェフにも紹介してくれて、3人でアットホームに会話が弾む。
ワインは土着品種も多く説明も楽しい。彼女の目利きな店選びに幸福感が高まる。
ブッラータでワインが進んで舌が欲張りになってきたころ、彼女のオススメとして登場したのは名物「鶏バター」。
『Cuore Forte(クオーレ・フォルテ)』:一番人気の「鶏バター」2,900円。レモンが効いているのでバターがたっぷりといえど重くなく、コンフィのようなジューシーな仕上がりとなっている
芳醇なバターとさわやかなレモンが香り、鍋の中で激るビジュアルも食指を動かす。食べれば肉汁を含み至極しっとり。
次がレモンパスタという流れも最高で、彼女の食偏差値の高さを思い知る。
『Cuore Forte(クオーレ・フォルテ)』
『Cuore Forte(クオーレ・フォルテ)』:マイルドな食べ心地の「 レモンのパスタ」(2,000円)の決め手はグラナパダーノチーズ
店主の羽賀大輔さんが2010年に開いた10坪のイタリアン。
バールのような気さくな雰囲気でありながら、上質なワインをグラスで楽しめ、料理は本場的な豪快さと日本人的な繊細さを合わせもつ。
店名はイタリア語で「強い心」を意味する。
背伸びして何度か行ったことのある“下北の聖地”で一杯 @『MOTHER』
『MOTHER』:現店舗は30年前にアーティストのサンキスト氏が1年半をかけて作った空間。流木や寺院の梁が使われ、年月が経つことで一層趣を増す。独特の形状の店内を反響して流れるサウンドが味わい深く、下北沢のロックカルチャーを体感するなら、ぜひ訪れてほしい
店を出たら21時だったけど小売店はまだ明かりを灯す。なんだかお祭り気分だ。
散歩がてら南口商店街をくだって若者たちとすれ違っていたら、昔の自分を思い出した。優秀だけど平凡で、カルチャーに通じた人、個性的な人との違いを感じ遠目に見ていた。
そんな僕でも“下北らしい”クリエイティブな大人に少し相手をしてもらったバーがある。「一軒寄りたい店があって」と彼女に提案。
扉を開けると手彫りのカウンターもガウディみたいな壁も何も変わっていない。
「こんな雰囲気いいお店、よく知ってたね」
彼女は明らかに好奇心に駆られる表情。10種以上のお酒が入った店特製のリキュールを飲めば、甘く刺激的。
「知らない一面に惚れ直しちゃう」
“下北”についてか僕についてか……?聞かぬままリキュールをお代わりした。
『MOTHER』
オーナーの山﨑千鶴子さんの時代から今年で50周年を迎えるロックバー。現在は娘の山﨑春奈さんが店に立つ。
春奈さんは都内5ッ星ホテルでの経験もある腕利きバーテンダーで名物のオリジナルリキュール「MORI」(グラス 700円~)も開発。
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- ※ 本記事はグルカレに掲載されている情報や店舗が公開する情報、および当社にて取材を行った際の情報を元に料理名・予算等の情報を掲載しております。営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、最新の情報はお店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。